光による行動制御

昆虫には昼行性昆虫と夜行性昆虫がいます。チョウ・トンボ・ミツバチなどは昼行性昆虫です。
被害が大きく駆除が困難とされているオオタバコガなどのヤガ科害虫は夜行性昆虫です。
一定以上の明るさになると活動を停止し、一定以下の明るさになると活動を始めます。
この昆虫の複眼が明るさに反応した状態を明適応といい、暗さに反応した状態を暗適応といいます。
明適応中の成虫の複眼は真っ黒に見え、様々な活動を停止します。
一方、暗適応中の複眼は光ったように見え、活発に行動します。
この性質を利用して夜間明るくして夜行性昆虫を明適応状態にし、昼間だと勘違いさせ行動を制御することが光を活用した害虫防除です。
明適応に最も作用する波長であれば、この行動制御を効果的に行うことが可能になります。
さらに必要以上に明るくする必要がないので、作物に与える影響も少なく隣接地への光害も少なくなります。