ヤガ科害虫は一定以上の明るさで活動を停止します。長野県野菜花き試験場などともに複眼の明適応に作用する波長を特定し、レピガードはその波長を発光するLEDで製品化しています。数々の防除試験でその効果が確認されており、普及技術や論文が発表されています。防除効果だけでなく使用することによる費用対効果の検証もされています。薬剤抵抗性を獲得した害虫は防除が難しくなっていますが、レピガードは農薬とは無縁な環境に優しい技術で難防除害虫の防除が可能です。
レピガードの防除効果
- 技術と普及R5年「青ネギのシロイチモジヨトウ防除技術の普及・拡大」
- 長野県H29年技術情報「施設栽培カラーピーマンにおける高輝度LED防除器(レピガードシャイン)の設置によるオオタバコガの被害軽減効果」
- 関西病害虫研究会報H27年「かんきつ類における黄色LEDを利用した果実吸蛾類の被害抑制効果の実証」
- 長野県H23年技術情報「果実吸蛾類に対するレピガードの効果」
- 農研機構H22年関東東海北陸農業成果報(技術・普及)「夏秋ギクのヤガ科害虫防除におけるLED防除器の利用技術」
- 長野県H22年技術情報「キク栽培におけるLEDレピガードの利用技術」
- 長野県H21年技術情報「レピガードの夜間照明がダリアの品質及びオオタバコガの被害に及ぼす影響」
- 長野県H21年技術情報「キク栽培におけるレピガードの利用方法」
- 長野県H20年試行技術「LED防除器レピガードは施設栽培カーネーションにおけるオオタバコガの産卵を抑制できる」
- 長野県H20年技術情報「LEDレピガードの照明が生育・開花に及ぼす影響」
試験結果による防除効果
カーネーションのオオタバコガによる産卵数と早生ミカンの果実吸蛾類による被害果数
カーネーションはハウス栽培ですが、オオタバコガは1頭で1晩に200~300個もの卵を産むので1頭が侵入しただけでも甚大な被害が発生します。レピガードを設置することで被害を押さえることができます。果実に被害を与える果実吸蛾類(アケビコノハ・アカエグリバなど)は収穫間際の果実を加害しするので甚大な被害がでることがあります。夜間飛来して加害するので防除が難しい害虫です。
明適応と暗適応
昆虫には昼行性昆虫と夜行性昆虫がいます。被害が大きく駆除が困難とされているオオタバコガやシロイチモジヨトウなどのヤガ科害虫は夜行性昆虫です。一定以上の明るさになると活動を停止し、一定以下の明るさになると活動を始めます。この昆虫の複眼が明るさに反応した状態を明適応といい、暗さに反応した状態を暗敵応といいます。明適応中の複眼は真っ黒に見え、様々な活動を停止します。一方、暗適応中の複眼は光ったように見え、活発に活動します。
この明適応に効果的に作用する波長であれば、必要以上に明るくする必要がないので作物や隣接地に与える光の影響が少なく、また少ないエネルギーで使うことができます。